月読みの森

拍手がv

ふと気づけば、拍手が結構押されている。(普通のサイトさんに比べれば、もの凄く少ないんだろうけど、雑食ブログにしては、多いのでは…)
あんな拙い話でも、読んで下さってる方がいると思うと、とても嬉しいv(拍手下さった方v ありがとうございます<(_ _)>)
頑張って増やしていこうと思うv
取り敢えずは、「貴方と共に」の続きを書かねば。
そして、本にするのさ。(何時だろう?)
そいや、最終話、ルルの表情が良かったよなぁv
世界を壊し、世界を創る ←死ぬ直前v 

ということで、おまけのギアちゃんをv
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銀木犀

 カレンがその香に気づいたのは、秋のある日。恐らく、日中であれば、様々なモノにかき消され、紛れていたくらいの…もの。
 生徒会での仕事が終わり、さて帰るかとクラブハウスを出た時だった。
 秋の澄んだ空気の中に、それはそっと、誘うかのようにカレンの鼻孔を擽った。
「あれ? この香…なんだっけ?」
 記憶の中に確かにある、けれど思い出せないもどかしさが、カレンを行動へとかき立てた。
 何だっただろう?
 とてもいい香り。
 これは、いつか…そう、幸せだった思い出の中にある香…。 
 そんな想いが、カレンを動かした。
 香ともいえないほどの微かな痕跡を辿り、着いたのは、ささやかな庭園。
 そこには様々な花や樹木があった。
 …名門たるアッシュフォード家に相応しく、この学園には様々な庭園がそこかしこに配されていた。そこに植えられているのは、おそらくは庭師が丹精を込めた、芸術品とも呼べるモノ。
 でもそれは、紛れもなくここがブリタニアの支配下にあると教えるモノばかりが植わっていた。
 けれど。
 ここにあるのは、庭園美を作り出すために植えられたモノではない。かつての日本ではそこかしこにあり、時には垣根として使われていた、秋になれば必ず薫ってきたオレンジの花を咲かせるものと同じ形をしたもの。
 …あまい、けれど控えめな香を放ちながら、くすんだ白い花を咲かせていた。
 それは…。
「金…いいえ、銀木犀…?」
だった。
 しかも周囲を見渡せば、吾亦紅も咲いている。
 というか、よくよく見れば、ここは、かつての日本でよく見られた植物(今は咲いていないモノもあるが)や樹木が植えられている?
 まるで、昔、学校帰りによく見かけた家の庭だ。
 懐かしさに、カレンは思わず立ち尽くす。
 その、時。
「どなたですか?」
 聞こえた声に、驚いてしまった。
 それに振り返って見れば、そこにいるのは。
「ナナリーちゃん!?」
だったりした。
「はい。その声は、カレンさんですか?」
 その声には、どうしてここに? という疑問の響きがあった。
 それに、はたと思い当たる。
 そう言えば、彼らはクラブハウスに住んでいたのだと。そしてよくよく見れば、ここはクラブハウスの裏庭だろうか?
 ならば、カレンは不法侵入者と言うこと。
「あ、ごめんなさい。いい香りがしたから、何かなって…」
 それに気づいて、慌てて謝罪する。ついでに、何故ここにいるかの理由も添えて。
 それに。
「ああ。木犀ですね。私も、この香が大好きなんですv」
 そう言って、笑った。
 花に誘われたのなら、罪にはなりませんよと。
 それに、カレンも「ありがとうv」とそう言って、笑った。
 けど。
「あの…なんで、そんなに哀しそうなの?」
 そこまで踏み込んで良いのかとも思ったけれど、笑顔なのに、何となく泣いているように見えて。
 だから、気づいたら、そう問うていた。
「…やっぱり、分かっちゃいますか?」
「えと」
 それに返されたのは、どこか哀しげな声音。
 それに、何となくの罪悪感を覚える。
「あ…」
「これは、お兄様が植えられたんです」
 それに、無理に言わなくてもいいのだと言おうとしたが、それを遮ってナナリーが言葉を発した。
「ある方と、秋に一緒に見ようねって約束したんです」
 とても、穏やかな声だった。
「私たちのいたところは神社でしたから、木犀の木が沢山あったんです。でも、ブリタニアにはなかったので、私が、これはなんですかって聞いたら、そう仰って下さったんです。とても可愛くて、いい香りのする花だからって」
 それでも、そこには哀しみが滲んでいた。
「でも、お約束、果たせなくて」
 それは、過去の出来事なのだと。ナナリーが、過ぎ去った過去(むかし)を懐かしんでいるのが、分かった。
「…亡くなった、の?」
 だから、そう聞いた。
 けれど。
「いいえ、生きてらっしゃいます。…でも、まだお会いすることはできません」
 生きているのに、会えない。
 それは、とても辛い。
 だから、ナナリーは寂しげなのかと、そう、思った。
「…どうしてか、聞いても、いい?」
「…とても大切な事を、なさっています。なのに、私達と会えば、その邪魔をしてしまいますから」
 その言葉に、ああ、そうかと何故か思った。
 彼女が寂しげなのは、自分が会えないのもあるのだろうけれど、きっとルルーシュも会うことができないから。
 その人は、いつか言っていた、初恋の人?
 で、その人は、きっと日本人なのだろう。
 ブリタニアには、この花はないと言うのだから。
 そして、神社にあったというのだから。
 では、その人のしている大切な事とは、日本奪還? その人は、レジスタンスにでも入っているのだろう。
 だから、会えないのだと。
 それは、とても…哀しいこと。
 でも。
「…いつかは、会えるの?」
 ナナリーは、“まだ”と言った。
 なら、いつか、会えるのだろうか?
「銀木犀の花言葉って、“初恋”っていうんです。傍の吾亦紅の花も、お兄様が植えられました。」
 けれど、ナナリーは、ただそれだけを言った。
 そして、「約束を破ったら、針千本飲まなきゃいけないんです」そう言い残して、室内へと入っていった。
 一枝の銀木犀を、カレンの手に残して。


 カレンは暫く手に残った銀木犀の枝を見て、庭の薫香を聞いて。
「そうだね。約束は、破っちゃいけないよね」
 そう呟いて、今度こそ帰って行った。




季節限定(秋)ねた。木犀はもう散っちゃったけど、せっかく書いたのでv

…ルルーシュ(朝比奈も)全く出てきてません。(ほんとは出すつもりだったけど、出すと長くなるので割愛)
一応、「初恋」の後日談的なのかな?
銀木犀の花言葉が初恋だと知って、こんなの書いてみましたv
神社には、絶対あると思うし。
で、ルルちゃんが金ではなく、銀木犀を植えたのって、約束もあるけど、省吾さんが好きだと言ったから、ですv
この後、カレンは枝をアジトに持ち込みますv
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