月読みの森

愛しのメロウ3

そーして、さんv







 三

 時間は、有限である。
 恋人同士のボディトーク(キス&ハグv)をずーっと楽しみたくても、それは許されない。
 なぜなら。
「ルールv 後で教えてねv」
 いろいろとv
 そのためにも、ちゃんと傍に居るから…。そう呟いて、もう一度軽くキスを送る。
 それに安心したのか、恋人はすっと力を抜き、瞳を閉じる。何でかはわからないながら、何らかの治療を受けていたのだろう。目覚めたばかりなら、疲れもする。
 だから、朝比奈はいつからかその部屋にいた、医師と思える人物に、ルルーシュを託した。
 再会を果たした今、事情は分からないながらもブリタニアがルルーシュを害することはないだろうと思える。だからこそ、少しくらいならば離れることになろうとも構わないと思っていた。 
 ただ、起きたルルーシュが寂しがらないようにと、証…七年前のあの時に、一緒に拾った桜貝…を、その手に握らせた。
 そうして。
「では、参りましょうか」
 にっこりと笑って、仕事を再開した。
 それに。
「なるほど、見かけに騙されてはいけないようだね」
 そう答えたのは、第二皇子とされているシュナイゼル。
 今の朝比奈の行動は、彼の中では是とされるものであったらしい。
「……」
 何も言わなかったところーたす悔しそうな表情ーを見るに、コーネリア第二皇女もそれに否やはないらしい。…というか、失敗を期待していたらしい。
 それに、なんとなく胸をなで下ろす。
 いや、なーんとなくだが、この二人の前では迂闊なことは出来ないと、本能が警告していたのだ。
 まぁ、本心で言えば、ルルーシュと離れたくはなかったのだが、そこを押して仕事を優先したのだが、正解だったようだ。
 それは。
「では、行こうか?」
 そう言って、さっさと外へと出て行く二人の行動に証明された。
 

 一方。
 外で朝比奈を待っていた藤堂は、漸く出てきたブリタニアの面々…たす、しっかりと護衛の任を果たしている朝比奈の姿を見て、ほっと胸をなで下ろしていた。
 どうやら、第一段階はクリアだな…と。 
 しかし、本当の試練はこの後に起こる。それを知る藤堂は、今一度、朝比奈の無事を祈った。

 で。
 当の無事を祈られている朝比奈は、その後、忍耐を強いられてしまったりする。
 表面はにこやかに、内心はぐーらぐらと煮えたぎってい心を抱えることとなる。
 だって、である。
「おやおや、失礼したねぇ」
「ん? こちらではそうではないんだねぇ」
「そうなのかい? いや、地上のことはあまり知らなくてねぇ。
 済まなかったね」
 …等々、いや、いちおう(←あくまで、いちおう)謝罪は下さるのだが、その言い方というか、なんというか。いちいち見下しているというか…。
 兎にも角にも、癇にさわるのだ。
 しかも、それをやるのは、朝比奈にだけで、他の面々には気取られもしないと来た。
 取り敢えず、最初の対面から分かってはいたことだったが、彼らは己に敵意を持っているらしいと言うことが明確になった。
 とはいえ、こちらから仕掛ける訳にはいかないのが現状である。
 あちらは一国…とは、微っ妙ーに違うかもなのだが…の代表。こちらはしがない、一軍人で、今は彼らの警護担当の一人。
 やればささやかな反撃くらいは出来るだろうが、それをすれば交渉は決裂するだろう。松の廊下でもあるまいし、いくら何でも、それは不味い。
 それにもう一つ。
 ここでキレたら…ルルに会えなくなる!
 あの時以降、ルルーシュに会えたのは、ほんの数回。しかもいずれもわずか数分。…疲れるからと言われれば、反論の余地はない。
 ない…が、傍に居るのに充分に会える時間がないのは辛い。
 とはいえ、会えるだけましなのではある。
 判明した事実…ルルーシュはブリタニアの皇族で、他の皇族方に溺愛されているのだから。
 つまり、彼らにとって、自分は愛する者にくっつく悪い虫である。
 ここで溺愛代表のお二人の機嫌を損ねたら、それこそ面会禁止となりかねない。…いや、明確に言われた訳ではないのだが、直感ー結構朝比奈の直感は当たるのだーがそう告げているのだ。
 だからこそ、朝比奈は理不尽とも思える仕打ちにも耐え続けている。…それこそが、唯一ルルーシュに繋がる道だとでも言うように。
 そしてそれは、正しかった。
「ふむ。取り敢えずは、及第点だね」
 そんな呟きと共に、いじめともとれる行動は格段に減った。
 なくならなかったのは、まぁ、当然かも知れない。
 後日情報その二によると、ルルーシュが女性…皇族は小さい頃は両性で九歳の成人の儀とともに、男女どちらかになるらしい。…であれば、シュナイゼルの伴侶となる筈だったらしいのだ。
 だが、ルルーシュは男になったので、その件は立ち消えになったのだが…。
 いきなり男であったはずのルルーシュが、女性に変化したというのだ。しかも、シュナイゼル以外の“男”のために。
 喜んだのも束の間、手からすり抜けて行ってしまったのだから、まぁ少々ーあまりすると、ルルーシュに嫌われるので・ーの嫌がらせは耐えなくてはならない。
 まぁ、それはそれでいいのだ。
 いいのだが。
 朝比奈の受難は、これで終わりではなかったりする。
 今回来た皇族は、二人。
 でも、終わったのは、一人。

 に、ひく、いちは、残り、いち。

 つまり、もう一人による朝比奈いじめが開始されたのだ。しかも、あからさまにしているにも関わらず、それは誰にも文句を言わせないやり方で。
 人、それを鍛錬、或いは訓練と言い、「警護ならばその腕も確かだろう。手合わせ願いたい」などと言われれば、いちおう四聖剣などとご大層な名前を貰っている身としては、逃げる訳にもいかない。(つまりは、訓練の名を借りたしごきとも言う…)
 毎度、引き分けに近い終わり方にはしているが…。それでもダメージがない訳ではない。
 まぁ、それでも。
 愛しいルルに会える回数が増えたのは、訓練という名のしごきに耐えているお陰と思えば、安い物v

「う~、体がぎしぎし言ってるー」 
「大丈夫か? 省吾?」
「うーん、ちょっと、だいじょぶじゃないかもv」
「ん、こら、くすぐったい」

 しかも、慰めて貰うという大義名分を掲げて、ぴっとりと抱きつけるのも、役得であるv

 取り敢えず、条約も無事締結できるみたいだし。
 朝比奈とルルーシュのおつきあいも、認めて貰えているようだし。
 この後にも一騒動はあるだろうけれど。

 すべて、世は、こともなし…?
 





と言うことで、おしまいv
んーフリーなので、好きにしていいけど、何か一言あると、とっても嬉しいかもv
フリーもお終いv
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